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babylogo.gif (3103 バイト)TM 全米一のベビーフード、ガーバー社
遺伝子組み替え原料の使用中止を宣言

(要約)

薬品大手ノバルティス(本社スイス)の米国現地法人(ニュージャージー州)は傘下の食品製造大手ガーバーのベビーフードの材料に遺伝子組み替え作物(GMO)を今後使用しないことを決めたと明らかにした。AP通信が7月30日に報じた。大手食品会社が決めたことで、GMO使用食品の安全性論議や、日本政府が検討中のGMO使用表示義務化問題にも影響を与えそうだ。同通信によると、ガーバーは「不安なく(消費者である)母親に製品を買ってもらう」ため、除草・除虫剤への耐性をつけたGMOのとうもろこしや大豆などの使用を9月末までにやめる。これまで原材料の5%がGMOだったという。


関連する記事

Mar_099.gif (898 バイト) Associated Press on July 30, 1999 日本語意訳
Mar_099.gif (898 バイト) Environmental News Network on August 4, 1999 日本語意訳


遺伝子組み替え食品とPetaluma製品について

MLTはこう考えます

世界の食糧需給安定のための観点から、また穀物の輸入大国としての日本にとっては、遺伝子組み替え穀物という課題は避けては通れない大きな問題です。日本はこの議論の多い遺伝子組み替えという生命工学の最新技術を国としては後押ししながらも、同時に可能な限りの早い時期に「分別輸入」を始める必要があるのではないかと考えています。

また、当然のことではありますが、一般消費者が毎日の食生活において、より多い選択肢を持てることが望まれます。現在、MLT社の取り扱うPetaluma社のオーガニック鶏肉、ロ-ジ-について言えば、ベビーフードメーカーの発表を待つまでもなく、既に食品アレルギ-体質の消費者や虚弱体質の子供、喘息、癲癇、アトピ-保持者への食材として純正オーガニック製品であるロージーの販売は当地、米国では急速に伸びています。こうした人々の間では、鶏肉に限らず、遺伝子組み替えとは無縁の食材を以前から購入していることが多く、最近の認証済みのオ-ガニック食品への一般的な伸びを見ればそれが分かります。普通の消費者が日々に口にする食品について、その選択により多い自由、選択肢を提供することが米国では真剣に語られており、またそのための対応が関連業界で積極的に行われていると言えましょう。

Petaluma社としては今後の消費動向を予測しながら、ロージーの本格的な生産体制(full production)を敷くことを現在検討中です。他方、こうした動きとは別に、輸入国である日本からみた場合の重大事としては、遺伝子組み替え食品への「表示問題」があります。現在、これは日米当局で大きな争点となりつつありますが、その議論は遺伝子組み替えを行う産物に対して表示を義務付け、強制するという点に絞られるでしょう。我々は技術論を含めて、未知の部分も多い遺伝子組み替え問題については、これを「していないという表示」が強調された方が良いのではないかと思います。つまり、その製品が遺伝子組み替えの「産物ではない」という事実を表示する方が明示的、実際的ではないでしょうか。場合によっては、日米の貿易問題に発展しかねない表示義務を巡る二国間の厳しい対立よりも、こうした議論を取り上げるのはどうでしょうか。

換言すれば、遺伝子組み替えに対しては「遺伝子組み替えをしている」という表示を義務付ける、つまり後向き(Reactive)の表現よりも、むしろ「遺伝子組み替えはしていない」という前向き(Proactive)な事実表示を義務付ける方が現時点では現実的と思われますがどうでしょうか。それによって、消費者は自らが判断を行う選択肢を少なくとも持つことができるからです。何れにしても、安全、健康、そして自然への回帰に向けた様々な食品への探究は今後間違いなく進むことでしょう。21世紀という新しい時代を迎える足音が我々が従事する食文化の面でもどうやら日増しに高まりつつあるというのが最近の実感です。

細居俊一

 


Associated Press on Web - July 30, 1999

ガーバー社遺伝子組み替え原料の使用中止を宣言


ニュージャージー州サミット発 (AP)

米国一のベビーフードメーカーであるガーバー社は今後、遺伝子組み替えのトウモロコシと大豆を原料として購入しないことを決定した。同社の親会社でスイスに本拠を置くノバルティス社によると、環境団体グリーンピースが同社に対してバイオ技術を使用した同社の製品情報を問い合わせる以前から、この方針を検討していたと言う。その他のベビーフードメーカーも同様の決定をしている。北米ノバルティス社(本社サミット)の消費者健康部門の社長兼CEOであるAl Piergalliri氏は「お母さん方が心配のなく我が社の製品を買って欲しい」と述べた。 

ノバルティス社としては9月末迄には、遺伝子組み替えにより耐虫性、耐除草剤性を持つトウモロコシと大豆は一切使用しないとしている。この種の原料はガーバー社が使用する原料の約0.5%を占めるが、Katherine King広報担当によれば主にシリアル製品に使用されているのである。また、ノバルティス社は今後のガーバー社製品の原料には殺虫剤や除草剤とは無縁のオーガニック食材だけを使用する予定だと述べている。ガーバー社は一日当たり550万個()を生産し、年間では世界全体で10億ドルの売上がある。 

他方、グリーンピースは遺伝子組み替え食品が人の健康や環境に危険があるという主張を特別にはしていないが、健康に害があるかどうかが分からない、ということだけを指摘している。ノバルティス社 では従来からのガーバー社製品は何ら問題なく、安全であるとしている。他のベビーフードメーカ二社、ピッツバーグのH.J. ハインツ社とカリフォルニア州ポーウェイにあるHealthy Time Natural Foods社もガーバー社と同様の変更をしている。「特に誰かの圧力というわけではない」とハインツ社のJack Kennedy広報担当は述べ、「それは正に消費者の好みの問題である」としている。 

もう一つの有力ベビーフードメーカーであるセントルイスのBeech-Nut Nutrition社では研究開発部長、Richard Theuer博士が同社は遺伝子組み替え原料を一切使っていないという。同社では、2年前から大豆原料やコーンスターチは使用せずに通常の種子から栽培されたトウモロコシだけを原料としているという。米国食品安全局は遺伝子組み替え農産物に特別健康上の問題があるとは見ておらず、食料品店で販売される通常の食品と変わるところなく安全であると結論付けている。とは言え、安全性への懸念は欧州では払拭されているわけではなく、米国産の遺伝子組み替えのトウモロコシや大豆に対して、その販売を認めることを拒否する国も幾つかある。

意訳− MLT International. All Rights Reserved

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Environmental News Network on web
Gerber ends use of GM ingredients
Wednesday, August 4, 199

ベビーフード、ガーバー

遺伝子組み替え原料の使用中止を宣言

730日付のウォール・ストリート・ジャーナル紙は、米国最大のベビーフードメーカー、ガーバー社は同社製品への遺伝子組み替えのトウモロコシ、大豆などの使用を中止することを決めたと伝えた。

国際環境団体のグリーンピースはこの発表を遺伝子組み替え食品の知られざる危険についての注意を喚起するためのキャンペーンに役立つ、正しい方向を示すものとして歓迎している。「これはわが国の有力食品会社がこれら未確認の食品について、高まりつつあるその安全性への懸念を認識していることを示す大きな一歩である」とグリーンピースの遺伝子工学の専門家、Charles Margulis氏は述べている。同団体は遺伝子組み替え食品についての安全性には特別な主張はしていないが、同時に健康への影響が十分には検証されていないとも感じている。「世界中の医者と科学者は遺伝子組み替え食品が安全ではないことを警告している」とも同氏は語った。ドイツの2,000人以上の医者と健康に関する専門家や英国医学財団、医学雑誌 The Lancetを含む多くの医学分野の専門家は遺伝子組み替え食品に関する疑問を呈している。「各国政府は健康への影響についての十分なテストをしないままに、こうした製品が食物連鎖の中に組み込むことを絶対に許してはならない」と同誌の編集者は最近書いている。一方、米国食品安全局では遺伝子組み替え食品は食料品店で販売される普通の食品と変わるところはなく、安全である」としている。 

今春、Margulis氏はガーバー社製造のベビーフード(シリアルと瓶入り)製品の見本をニューヨーク市の幾つかの食料品店で購入し、英国の研究所に遺伝子組み替え物質の試験をするために送付した。この実験結果ではガーバーの瓶入りベビーフードには遺伝子組み替えの成分は見つからなかったが、シリアルには同成分を発見した。5月に入り、Margulis氏はガーバー社に対して、同社がこの種の成分を使用しているかどうか、研究所での実験結果を知りつつ手紙を書き、これをファックスで送信した。 

「ご存じの通り、遺伝子組み替え食品に対しては世界中で懸念が沸き起こりつつあります」という文でこのファックスは始まり、手紙はさらに「ガーバー社がそうした物質を使用しているかどうか、もしそうであるならばそれが何なのか、そしてこうした食品を同社の製品に含めないようにするために何をしているのか」を質問し、さらに返答を5日以内にするよう要請したのである。これに対して、ガーバー社は期限を守らなかったため、618日にMargulis氏はニューヨーク市内のレストランで記者会見を行い、彼の手元にある結果を発表した。Margulis氏は遺伝子組み替えについての注意を喚起するためベビーフードを取り上げたことを認め、そのことで間違いなく情緒的な問題が起きるだろうことをその理由として挙げたのである。 

グリーンピースのこの行動が今回のガーバー社の決定に関わったとも解釈できるが、スイスに本拠を置くガーバー社の親会社、ノバルティス社の役員は今回の政策決定は以前から検討してきたことの単なる結果であるとしている。「今回のことは、遺伝子組み替えのトウモロコシや大豆がシリアル製品で使用されていることを指摘し、公開の議論をもたらした」とノバルティス社の消費者健康部門の広報部長であるSheldon Jones氏は述べつつ、「元々、この問題には近づいていた」としている。また、遺伝子組み替え食品ラベルキャンペーン(The Campaign to Label Genetically Engineering Foods)の事務局長であるCraig Winters氏は、「Margulis氏による手紙と実験の結果が今回のバーガー社の決定に何らか関わっており、同社を追い込んだのかも知れない」と述べている。しかしながら、一方で同氏はガーバー社が遺伝子組み替え食品を使用しない方針に沿って動いていることも指摘している。つまり、同社が既にオーガニック原料だけを使用するベビーフードの生産を始めている事実も同氏は紹介している。 

Jones氏によれば、バーガー社は遺伝子組み替え食品が安全であると信じており、同社の遺伝子組み替え原料からの離脱は、寧ろ消費者の信頼を維持したい強い思いから来ているいう。米国内では遺伝子組み替え食品の使用について消費者の関心は余り多くないが、「何れ関心が出てくる」とも言っている。欧州では、既に長い間、遺伝子組み替え食品への強い反対があり、ガーバー社もそれが議論を呼ぶことを理解し、グリーンピースがそうした問題を前面に押し出すことも知っている。昨夏、グリーンピースはノバルティス社がスイスで販売している同社のガラクティナベビーフードに遺伝子組み替え原料が入っていることでぶつかっている。結果的には、ノバルティス社はスイス国内の食料品店から製品の多くを撤去し、さらにガラクティナ食品からは遺伝子組み替え原料を取り除くことも約束した。 

皮肉にもノバルティス社は一方では遺伝子組み替えの種子を販売している。この矛盾について問われると、Jones氏はガーバー社並びにノバルティス社は遺伝子組み替え食品が健康にまったく問題がないとする時がいつか来ると信じている、と述べている。「この問題は実際的に解決され、両親が何れ遺伝子組み替えの価値が高まることを理解する」とも彼は言う。つまり、それは耐害虫性が殺虫剤の散布を必要としないことなどである。また、ある生産者は遺伝子組み替え作物と非遺伝子組み替え作物を隣接した農場で耕作することから、ガーバー社では同社のベビーフードが100%完全に遺伝子組み替え原料と無関係とは言えないとしている。例えば、遺伝子組み替えによる花粉を例に取ると、蜂が遺伝子組み替えとは関係のない作物との間を媒介することでお互いが混ざってしまうのである。 

ガーバー社は基本的には遺伝子組み替え食品を使用しない生産者の採用を計画しているが、オーガニック原料だけの業者を使用すると値段が高くなる。但し、そのために「製品の価格が影響を受けるという徴候はない」とJones氏は述べている。 

意訳− MLT International. All Rights Reserved

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Last update: 1999/08/24

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